生活

小石を隠す——という、コミュニティ

イギリスの5月の最初の日曜日はバンクホリデー(国民の祝日)があって3連休になる。 GWほどではないけれど、それなりに特別な週末だ。 その週末に面白いアクティビティに出会った。 出会うなり、「イギリスっぽい」と思った。しかもやってみたら思いの外楽…

オーディオブックを流す日々

オーディオブックを定期的に聞くようになったのは、日本の大学院に行っていた頃だった。とにかく通学途中の歩いている時間や乗り換えの細切れの時間に、耳から情報が入ってくるのが心地よく、割とスムーズに聴き始めた。 英語力を急にあげなくてはならないと…

サンタのプレゼントは靴下に入っている(そして私はそれが好きだ)

For My Expensive Little Things | Flickr - Photo Sharing! サンタのプレゼントはイギリスではしばしば靴下に入れられる。 「へえ、そんなの当然じゃない?」と思うかもしれないけれど、そんなことはなくて、たとえばアメリカや日本では「サンタさんのプレ…

花火の旬

Guy Fawkes Burning and Fireworks | Flickr - Photo Sharing! イギリスの花火の旬は11月だ。 そもそも花火の購入は非常に難しい国で、日本にいたときに夫が驚いていたのはコンビニで花火が買えること、小学生が手持ち花火を出来ることだった。 だから年間を…

ホーディング(汚部屋)、という病

『母は汚屋敷住人』という漫画がある。とにかく何もかもを溜め込む母親と同居した娘が、いかに家を掃除しようとして挫折したか、の一連の流れを描いたエッセイコミックだ。 これから買って読む人もいるかもしれないので中身にはあまり触れたくないが、途中で…

家事指南本

Just hanging:-) | Flickr - Photo Sharing! 家事の本は、ダイエット本とならんで、手を伸ばしてしまうジャンルだ。 別にそれで何かを変えようとするのではなく、お話を読むように読んでいるので、我が家自体はしっちゃかめっちゃかなままなのだが、そもそも…

Mornington Crescent モーニントンクレセントな日々

Station tiling | Flickr - Photo Sharing! Mornington Crescent「モーニントンクレセント」という、なんと言っていいのかわからない、そしてそれなのにやたらイギリスっぽいゲームがある。1978年に初めてラジオ番組に現れたというから私たちの世代であ…

薬屋さんのソース

Worcestershire sauce | Flickr - Photo Sharing! イギリス発の食品には「薬屋」が関係しているものが多くある。 日本では「ウスターソース」と呼ばれているウスタシャーソースもまた、1830年代に薬屋が調合したものだ。 精度の高い秤がある薬屋は、きっ…

カスタードの秘密

Great British Brands - Bird's Custard | Flickr - Photo Sharing! カスタードの作り方は小学生ぐらいの頃に教わった気がする。 卵黄、ミルク、砂糖をゆっくりと練り上げて作る。 しかし、イギリスで「カスタード」といえば、卵を使わずコーンスターチ(こ…

気付け薬のにおい

pharmacy at blists hill | Flickr - Photo Sharing! 19世紀を舞台にした映画などを見ると気絶した女性の鼻のあたりにガラスの小瓶を動かしているシーンを目にすることがよくある。Smelling salts--いわゆる気付け薬だ。 かなりロマンチックなイメージのあ…

永遠の、薬

Apothecary Hall - National Botanic Garden of Wales | Flickr - Photo Sharing! 西洋医学、東洋医学という言葉はあたかも西洋の医学がずっと現代のもののような印象を与えるけれど、西洋の医学もかつては迷信に近いようなものだった、ということは多少こち…

運動会

20070717_0012 | Flickr - Photo Sharing! 6月の終わり頃上の子の学校で運動会が開かれた。 日本の小学校の運動会に初めて行った時、夫は矢継ぎ早に色々と質問を投げかけてくれたものだったけれど、なるほどこちらに来たときにはSports Dayと運動会は全く似…

小学校の制服の話

Girls' School Uniforms | School Dresses | Kids | M&S イギリスの公立小学校は基本的に制服がある。といっても学校ごとにデザインが決まっているわけではなく、色と形が指定されているのだ。 「男子。赤のポロシャツ、グレーのスエットシャツ。黒のズボン…

イギリスの母の日は3月にある(そしてそれはもうすぐだ)

Mothering Sunday. | Flickr - Photo Sharing! イギリスの母の日は5月ではなく3月だ。母の日のカードも、当然この時期に売り出される。 この日には親鳥とひな鳥のモチーフのカードが贈られたり、シムネル・ケーキと呼ばれるケーキを食べたり、といったお祝…

イギリスでおうちごはん

イギリスで生活をしていても、食べたくなるのがなじんだ味。和食材は、一昔前とは比べ物にならないほど普通のスーパーにさえ入ってきたけれど、それでも、やはり来たばかりの人が「??」となる食材はそこそこあるかも。 洋食材であっても名前が知っている物…

『異世界食堂』と『信長のシェフ』とイギリスの食事ってまずいんでしょう?という質問

Fish 'n' chips at the Severnshed イギリスに住んでいると必ず日本の人から聞かれる質問。「イギリスの食事ってまずいんでしょう?」 それに対する答えは決まっていて「まずくはないと思います。外食は高いですが。」 そして、それからなんとなく困ったなあ…

帽子なしでイルクリー・モアを歩く(つまりはヨークシャーの州歌のはなし)

Evening Light on Ilkley Moor | Flickr ヨークシャーの民謡に Ilkley Moor Baht'At というのがある。もう、字面を見ただけでは一体何のことだか訳が分からないと思うのだが、現代英語に直すと "Ilkley Moor But Hat"ーつまり「帽子なしでイルクリーモア」と…

Burns Night

Bagpipes at Sunset in Afghanistan | Flickr この日曜日は詩人、18世紀スコットランドの詩人ロバート・バーンズの誕生日を祝う、バーンズナイトである。この日はスコットランド名産のハギスを食べ、スコッチウィスキーを味わい、バーンズの詩を歌ったり、…

クリスマスの終わり

Photo by Wonderlane 正月はたいしたイベントではないイギリスでは1月の2日にもなれば、すでにどこもかしこも通常営業である。 が、実はクリスマスはまだ続いている。 12月25日には早々にツリーが片付けられ、しめ縄が飾られる日本にいた頃にはしばし…

ゲリラ・ガーデニングとその功罪

イギリスはガーデニングの国だと言われる。日本でしばしば言われる「イギリス風」ガーデンがどの程度イギリス風なのかはとりあえず横においておいて、今日はゲリラ・ガーデニングの話。 ゲリラ・ガーデニング。日本語ではあまりなじみがないかもしれない。私…

Meal in a jar 瓶の中のごはん

友人が近くに引っ越してくるので、引越祝いのプレゼントを試作する。今回はMeal in a jar「瓶の中のごはん」だ。 大きめの瓶に、乾物やスープストック、スパイスを綺麗につめて行き、水を加えて煮込むだけで一食が出来上がるようにする。ネット上には多くの…

Polly had a dolly

Dandelion I by Nickki Tysoe タンポポの花の季節ももうとうにすぎたけれど、先日子供達がデイジーを摘んで似たようなことをやっていたので思い出した子供の遊び。 タンポポの花を摘み、片手で持ち、親指を花の下に添えて、'Polly had a dolly and its head …

ストライキ

Photo by Roger Blackwell 先週の木曜日はイギリス公機関のストライキだった。 緊縮財政の名の下に次から次へと公務員の給料がカットされているので、来るものが来たな、という感じではある。 折り悪く、我が家のある通りは木曜日が生ゴミの収集日で、当然の…

Bradford Pageant 1931 「ブラッドフォードパジェント」の1

ずいぶん前に公表したことになるのだけれどブラッドフォードパジェントについて。 というか、まずはパジェントという演劇形態について少し解説を。 日本語ではページェント、のほうがなじみが深いかと思う。これは日本にこの形態の演劇を定着させようとした…

Buttercup きんぽうげ

Photo: Jenny Downing "Sun Trap" 子供と一緒にイギリスに住んでいて増えるのが、子供らしい言い伝えや、まじない、童謡の類いの知識で、今日は散歩中、突然子供にキンポウゲを顎の下に当てられた。 「あ、ママの顎は黄色くならない。」 キンポウゲを顎の下…

ツールドフランス

2014年のツールドフランスはヨークシャーが出発点である。ので、この地域は浮き足立っている。 そもそもイギリス北部は経済的に圧倒的に南部に比べて弱い。地価も物価もおかげさまで安いが、給料も基本的には南部とは比べ物にならないほど安い。その上緊縮財…

life in the UK3

というわけで、実はもうずいぶん前になるのだが、6月13日、金曜日にLife in the UKテストを受けて来た。よりによって13日の金曜日で験が悪いと言えばそうなのだが、幸い天気はよく、リーズまで電車でえっちらおっちら出かけて行った。 出かけて行って気…

Life in the UK 2 移民と文学

写真はLife in the UK Official Study Guide, 2013 Edition (Life in the United Kingdom) より。 Life in the UK テストには文学と歴史のセクションがある。かつてはバーナード・クリックが書いた移民を歓迎する序文があったということだが、そんなものは第…

Life in the UK Test その1

イギリス永住権取得の為に必要なLife in the Ukテスト。まず第一回目としては「とりあえず、ハンドブックはそこそこわかりやすいイギリス社会の紹介になっているし、テストそのものにもポジティブな可能性はある」ということ。

料理人ジャック・モンローとジェイミー・オリバー、など

Jack Monroeという料理人がいる。と書くのがちょっとはばかられるのは、彼女が料理本を書く人としてはちょっと異色だからで、プロの料理人でも、カリスマ主婦でもなく、レズビアンのシングルマザーで、第一義的にはおそらく社会運動家兼アルファブロガー、だ…