歴史

花火の旬

Guy Fawkes Burning and Fireworks | Flickr - Photo Sharing! イギリスの花火の旬は11月だ。 そもそも花火の購入は非常に難しい国で、日本にいたときに夫が驚いていたのはコンビニで花火が買えること、小学生が手持ち花火を出来ることだった。 だから年間を…

薬屋さんのソース

Worcestershire sauce | Flickr - Photo Sharing! イギリス発の食品には「薬屋」が関係しているものが多くある。 日本では「ウスターソース」と呼ばれているウスタシャーソースもまた、1830年代に薬屋が調合したものだ。 精度の高い秤がある薬屋は、きっ…

カスタードの秘密

Great British Brands - Bird's Custard | Flickr - Photo Sharing! カスタードの作り方は小学生ぐらいの頃に教わった気がする。 卵黄、ミルク、砂糖をゆっくりと練り上げて作る。 しかし、イギリスで「カスタード」といえば、卵を使わずコーンスターチ(こ…

気付け薬のにおい

pharmacy at blists hill | Flickr - Photo Sharing! 19世紀を舞台にした映画などを見ると気絶した女性の鼻のあたりにガラスの小瓶を動かしているシーンを目にすることがよくある。Smelling salts--いわゆる気付け薬だ。 かなりロマンチックなイメージのあ…

永遠の、薬

Apothecary Hall - National Botanic Garden of Wales | Flickr - Photo Sharing! 西洋医学、東洋医学という言葉はあたかも西洋の医学がずっと現代のもののような印象を与えるけれど、西洋の医学もかつては迷信に近いようなものだった、ということは多少こち…

ニコラス・ウィントン氏 追悼

画像は Nicholas Winton's children: The Czech Jews rescued by 'British Schindler' - BBC Newsから。 ほぼ一年ほど前になるか、ニコラス・ウィントン氏に関するエントリーを書いた。29歳の若さで669人のユダヤ人の子供をナチス・ドイツの強制収容所…

イギリスの母の日は3月にある(そしてそれはもうすぐだ)

Mothering Sunday. | Flickr - Photo Sharing! イギリスの母の日は5月ではなく3月だ。母の日のカードも、当然この時期に売り出される。 この日には親鳥とひな鳥のモチーフのカードが贈られたり、シムネル・ケーキと呼ばれるケーキを食べたり、といったお祝…

The Dawn of a Tomorrow『秘密の花園』の作者の大人向けノヴェラ

The Dawn of a To-morrow (English Edition) 作者: Frances Hodgson Burnett 発売日: 2012/05/17 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 『秘密の花園』『小公女』『小公子』といった児童向けの作品群で知られるフランセス・ホジソン・バーネットだ…

秘密の花園ーいるはずのないメイド

Bluebell woods | Flickr 『秘密の花園』の原著であるThe Secret Gardenをちょっと理由があって再読した。 大人になってから読むのは二度目。 最 初に読み返したのは前にイギリスに住んでいた時期だったのだが、その時はあまりにも差別的なインドの描かれ方…

『英国メイドマーガレットの回想』他

英国メイド マーガレットの回想 作者: マーガレット・パウエル,村上リコ 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2011/12/22 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 1回 この商品を含むブログ (7件) を見る 図説 英国メイドの日常 (ふくろうの本/世界の文化…

Heath Robinson Contraptions イギリスのピタゴラ装置

Contraptions 作者: Heath Robinson,Geoffrey C. Beare 出版社/メーカー: Gerald Duckworth & Co Ltd 発売日: 2007/07/12 メディア: ハードカバー 購入: 1人 クリック: 1回 この商品を含むブログを見る ヒース・ロビンソンは1872年生まれのイギリスのイラス…

最初に英語で本を書いた女性ーノリッチのジュリアン

"Statue of Dame Julian" by Poliphilo - Own work. Licensed under CC0 via Wikimedia Commons. ノリッチのジュリアン(Julian of Norwich) という女性がいる。チョーサーの同時代人で、おそらく英語で本を書いたイギリスで最初の女性である。 "All shall …

イギリスのシンドラー/ニコラス・ウィントンとキンダートランスポート

ニコラス・ウィントンという人がいる。まだご存命の人で、29歳の時、チェコから600人を超えるユダヤ人の子供達をイギリスへ送る手はずを整えた人だ。 両親ともにキリスト教に改宗はしているものの、ユダヤ系で、株式関係のしごとで裕福だった彼は、イギリ…

ブラッドフォードパジェント 2

さて、1931年のブラッドフォードパジェントは奇妙なパジェントだ。 というのも、大恐慌の真っ最中で、当時ブラッドフォードの富裕層の多くを占めていた織物業は軒並み苦戦していたし、倒産する業者も後を絶たなかったからで、1928年から1932年の間に、ブラッ…

Bradford Pageant 1931 「ブラッドフォードパジェント」の1

ずいぶん前に公表したことになるのだけれどブラッドフォードパジェントについて。 というか、まずはパジェントという演劇形態について少し解説を。 日本語ではページェント、のほうがなじみが深いかと思う。これは日本にこの形態の演劇を定着させようとした…

Literature of the English Country House

MOOC、Literature of the English Country House(シェフィールド大学提供)について。

1923: A Memoir: Lies and Testaments

1931年のブラッドフォードパジェントについて小文を書いたときに調査の段階で出会った回想録。1923年は著者の生まれた年だ。 紡績、織物と輸出に頼っていたブラッドフォードは30年代の不況にひどく打撃を受け、1928年から32年の間に400近い企業が倒産した…