Literature of the English Country House

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Life in the UK testについては、まだ書きたいことが沢山あるのだが、とりあえずは置いておいて、これについて書いておきたい。

というのも、もう3週間目に入ってしまったので「興味があるからやってみたい」と人にとってはおそらく今が飛び入り最後の時期じゃないかな、と思うからだ。

 

何の話をしているのかというとMoocである。Massive Open Online Course. 

大学を始めとする高等教育機関がインターネットを利用して大人数相手のコースを提供するもの。

アメリカが震源地だけれど、イギリスではFutureLearnが最近始まった。未だβ版。

とにかくそれだけでは採算が必ずしもとれるものでもないので「大学教育のハフィントンポスト化?」であるとか「弱小大学の講義を受ける意味は?」であるとか、周囲の大学関係者達はかまびすしい。なにせ、保守政権のもとで大学の学費が一気にどん!と値上げされた国である。今までは「子育ても落ち着いたし、パートタイム で修士をとってキャリアアップしようかな」なんていうのも選択肢ではあったのだろうけれど、今はそれがダイレクトに子供の学費とかちあう両親世代も、大学に進学する意味があるのかと悩む子供世代も、ある意味では興味津々で見ている動きではある。大学進学のお金は子供が自分で借金するのがスタンダードの国とはいえ、人生の出発点から数百万単位での借金というのはさすがに普通心配だ。しかしアメリカではすでに、しっかりと修了証をもらいたい人だけお金を払うシステムが始まり、正規大学の単位に組み込むことも不可能ではないようにするべきだ、みたいな話もちらほら出ているらしく、長い時間をかけて仕事をしながら単位を積み上げて学位を最終的に取得する、というようなシステムが出てくるのも意外と先の話ではないのかもしれない。

 

・・・・というのは、まあ、置いておいて。そのコースの一つとしてシェフィールド大学がLiterature of the English Country Houseを6月第一週から公開している。

だいたい週に3時間程度の勉強時間をみつもれば大丈夫。第一週はベン・ジョンソンとマーガレット・キャベンディッシュから始まり、最後には19世紀あたりまで行く筈だ。(MOOCは基本全ての教材がオンラインで入手可能なのが建前なので著作権が切れるところまでは行くと思われる)現在までやってみた感じでは非常に良くできている。精読させる箇所も長過ぎず、5分程度のビデオをうまく使ってそれなりに短い時間できちんと進むように作られている。

先日見たら900から1000人程度がコメントを残している様子。コメントを書かずディスカッションに参加しない人もいるだろうから、実際の参加人数はもっと多いだろう。残念ながらディスカッションは、ほとんど機能していない。人数が多すぎてツイッター並みに発言が流れる上に、「根拠を示すこと」とされているので一人一人の発言が長い。良い発言が「シェイクスピアって難しくてわからない」に代表される「感想」に瞬く間に流されて行く。質の良い発言者だけを「フォロー」することは可能ではある。