Cinderella stampーシンデレラ切手の奥深い世界

 

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おそらく昔、パジェントの調査を始めた頃から何度もであっているはずなのだが、今回ブラッドフォードパジェントについて本格的に調べ始めるまで気づかなかった小さな切手。どう見ても郵便切手ではないのだけれど、切手としか呼びようのないこれについて。

 

これはCinderella Stamp(シンデレラ切手)と呼ばれる。郵便局が出した正規の切手ではないのだが、切手に極めて似通った形状を持つ、しばしばプライベートな切手。飾りであったり、特殊な環境下で切手と同じ利用をされたり。

上に貼付けたブラッドフォードパジェントの切手に関して言えば、おそらくパジェント関連の手紙をおくるときに宣伝の一環としてはられたのではないかと私は思う。

そしてシンデレラ切手とは(私は不勉強にして知らなかったのだが)熱心なコレクターのいる深い深い世界なのだった。1959年からはシンデレラ切手クラブがイギリスに設立され、同好の士が交流している。

 

歴史に興味を持つ人にとって面白いのが、政治的動乱や社会活動がこうした切手を作り出す傾向があることで、ミクロネーションも発行するし、たとえば、婦人参政権運動あたりも、シンデレラ切手を作った模様。たとえばこれは、アメリカのサフラジェットのシンデレラスタンプを紹介している

 

切手蒐集の中でも特にマニアックなシンデレラ切手蒐集という世界。プライベートに作られる分、とんでもないものもあるのだろうし、それこそ歴史を感じさせるものもあるのだろう。でも、私が一番に想像したのは、パジェントのシンデレラ切手を手渡されて大事にスクラップブックかなにかに保存する少女の顔だったかな。私の手元にある汚れ一つないスタンプはどう見ても大切に保存されて来たもので、きっと、そこには何か大きな魅力があったのだろう、と感じさせるからだ。