Heath Robinson Contraptions イギリスのピタゴラ装置

 

Contraptions

Contraptions

  • 作者: Heath Robinson,Geoffrey C. Beare
  • 出版社/メーカー: Gerald Duckworth & Co Ltd
  • 発売日: 2007/07/12
  • メディア: ハードカバー
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 ヒース・ロビンソンは1872年生まれのイギリスのイラストレーターであり、カートゥーニストである。活動の初期ーヴィクトリア朝の終わりからエドワード朝ぐらいにかけては、有名な作品の挿絵を手がけた。大戦間にも活躍している。戦争にイケイケムードが漂う中、そういった風潮を風刺するイラストも多く残した。

戦争批判の色を持つ風刺画を描いたことで敵を作りもしたけれど、おそらくヒース・ロビンソンにとっては、何よりも戦争のばかばかしさの方が目についたのだろう。

 

さて、ヒース・ロビンソンは世相の風刺画も知られているけれど、やはり一番彼の名前を有名にしているのが『ピタゴラスイッチ』もかくやと言いたくなるような装置の数々だ。今でも複雑怪奇な機械をイギリスでは「ヒース・ロビンソンの機械」と呼ぶことがある。

細かい線で描かれた奇妙な装置は、蒸気機関を使ったり、ロウソクで縄が燃えることを前提にしたり、と時代を感じさせる。そして、イギリス人はなぜか彼のユーモアをとても「イギリス的」だと感じているようなのだ。

のんびりと線画を眺めながら、「なるほど、ここがこうつながっているのだな」とニヤニヤするのも一興。

紅茶と砂糖が配給になった!というトピックの絵を見ながら、戦時下の生活に於けるユーモアに思いを馳せるのも一興だ。

 

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