イギリスでおうちごはん

イギリスで生活をしていても、食べたくなるのがなじんだ味。和食材は、一昔前とは比べ物にならないほど普通のスーパーにさえ入ってきたけれど、それでも、やはり来たばかりの人が「??」となる食材はそこそこあるかも。

洋食材であっても名前が知っている物と違ったりするので、1994年初めてイギリスに引っ越してきたばかりのころは混乱の連続でした。

ごく普通のスーパーでの経験をもとに食材について語るとこちらで入手可能な食品と、入手の難しい食品はこんな感じ。(ただし、ロンドンや南部の日本人人口が多いところだと、もっと色々と入手は簡単な筈です。)

 

 

こちらのスーパーで普通に手に入る食材

  • 片栗粉  コーンスターチで代用可。なのだけれど、問題はイギリスではそれがコーンスターチという名前では売っていないこと。買うべきはCorn flour。使い方は片栗粉と同じ。
  • 胡麻  白ごまは普通に購入できるのだけれど、黒ごまはまず手に入らない。そして、売っているのは基本洗い胡麻なので、炒るのはご自分で、ということに。ただし、炒り立ての胡麻の香りの高さはパックの炒りごまとは比べ物にならない。
  • 米  Sushi riceというかたちで買えることが多くなりましたが、高い。やはり家族で食べるのだとオリエンタル食材店で10キロ(12−13ポンド前後)を買ってしまうのが一番手頃。
  • うどん/そば  乾麺が簡単に手に入るようになりました。
  • みりん  これも、本当にびっくりしたのですが2012年にこちらに来たら普通に買えるようになっていました。とても高いのですが・・・
  • 小豆、大豆  ということでがんばれば餡子系は実はそれほど難しくありません
  • 醤油 こちらも小さい瓶で高いけれど普通に売っています。オリエンタルスーパーに行けば台湾の大きな瓶がお安く買えるんですけれどね。
  • 生姜  ごく普通に売っています。
  • 豆腐  そのまま冷や奴にするような美味しさではないんですが、十分にお味噌汁の具にはなるくらい。
  • 緑茶  中国茶系だったりするという話もあるのですが、普段使いにはあまり困らないです。ただ、それはヨークシャーが軟水だからという話もあり、水の固い地域だと結構辛いものがあるのかも。
  • 即席ラーメン  安いものでも麺の味そのものはそれほど違わないんじゃないかと思いますが、決定的にスープがまずい。ので、こちらで買ったらスープだけは自作する必要が。ただ、「これは麺しか使わない」と腹をくくると冷やし中華もその麺でそこそこの味のものが作れたりします。こちらで一番良く売っている麺は中国のエッグヌードルで、いまひとつ日本で馴染んだ食感でも味でもないのです。が、即席めんはその分、すんなり応用が利いて便利。

薬味系ではわさびも結構簡単に手に入るようになりました。粉末のわさびだったらちょっと大きなスーパーだったら問題なく買えるかな。

コンニャクは、最近こちらの大手メーカーYUTAKAが売り出したということなので数年後にはヨークシャーの田舎にもやってくるのではないかと期待中。です。あとは、ダイエット食品ゼロヌードルという名で売り出されているものが実は単なるシラタキだという話を最近聞いたところです、が、こちらは自分では確認していません。結構大手健康食品やさんにあります。*1

 

御茶請けで、バカにならないのがDatesー干し棗椰子。

目をつぶって食べているとなんとも甘納豆に似た味わいで、ほうじ茶が欲しくなります。

 

お菓子関係では和食材ではありませんが、名前が混乱を招くという意味ではこちらが割と落とし穴

  • アーモンドプードル  そもそもの日本語名称が英語とフランス語のチャンポンなんですが、全部英語にして「アーモンドパウダー」で探してもすぐには見つからないかと。Ground almondsが最も良く使われる名称のようです。
  • ショートニング  これはアメリカの人も「イギリスにはショートニングが売っていない?」と混乱したりするようですが、売っています。ただ、「ショートニング」としてよりも商品名(Trexとか)として売られていることが多いので、目に留まりにくいかも。Vegetable fatという呼び方もされているのを聞いたことがありますが、どのくらい使われている名称なのかはわかりません。ヴィーガンのお客さんが来る時などバターは禁じ手になるので、これが便利。

 

あるはずなのに何か違う食材

  • パン粉 基本フードプロセッサーで自作する物らしく日本で売っているような袋詰めのパン粉は我が家のそばのスーパーにはありませんでした。breadcrumbとして売っている物を目にしたこともあるのだけれどちょっと違う・・・最近ではpanko breadcrumbとして、日本風のパン粉が売っていることもあるみたいですが、我が家のそばのような田舎にはなかなか。
  • マヨネーズ 日本の物と味が違います。それはそれで美味しいのですが、日本のレシピ本に従って料理しているとマヨネーズの入る料理は味付けが全部狂います。

 

 恋しくなるのになかなか手に入らない食材

野菜類、果物類。こればかりは持ってきてもらうわけにいかないので日本に帰る時を楽しみにするしかないのですが、柚子や山椒のような香りの強いものが恋しくなります。

去年はとうとう紫蘇と春菊(chop suey green)を作ってもらったのですが、やはり気候が違うので日本の秋冬野菜は夏場に旬を迎えてしまいます。(そして、鍋をしたい時期には春菊はなし。)

 

持って来ると嬉しい食材

子供がいる家庭だったらおそらく喜ばれるのがふりかけ、お茶漬け類。

我が家は鰹節は削り器に鰹節そのもので毎回削ることに。

 今は子供でも危なくなく削れる機械が出ているのですね。鰹節が1−2本もあれば我が家の和食の頻度だと一年大丈夫。我が家だと普段のおみおつけは鰹節が入ったまんま。漉さずに飲んでいますが、お客さんに出す訳じゃないし、大丈夫。

珍しくよそ行き料理をした後は、鰹節や昆布などの出し殻が、佃煮になります。

かつおぶし削り オカカ 22011

かつおぶし削り オカカ 22011

 

 もう一つ、我が家のヒットは乾燥糸こんにゃく。滅多にやらないのだけれど、すき焼きや牛丼を食べるとき、一袋あるとちょっと嬉しい。

 

 そして馬鹿にならないすしのこ。米酢って高いんですよね。その割に普段は使わない。なので粉末のかたちでスーツケースの中に潜ませておくととても便利。

 

 味噌も最近は売っているのですが、高いのとやはり種類が選べないので時々「あー、八丁味噌が恋しい」となったりします。我が家は自宅で作っちゃっています。

意外と嬉しいのがきなこ。作れないことはないんですが、とにかく手間がかかるので。

 

 

おまけですが

重箱は持ってきておいて損がないと、(勝手に)確信しています(笑)

和食器が沢山なくてもそれなりに正月だパーティーだと使えますし、お弁当箱代わりにもできます。我が家ではもっぱらお茶会の時のお菓子入れとして活躍していますが。

HAKOYA 15.0角三段重 赤 百華 44627

HAKOYA 15.0角三段重 赤 百華 44627

 

 

 

 

 

*1:2015年2月27日確認しました。まんまシラタキでした。現在BootsやHolland and Barrettで取り扱いあり。お値段は200グラムで1ポンド90ぐらいから2ポンド50ぐらいまで揺れ幅ありです。