Mornington Crescent モーニントンクレセントな日々

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Station tiling | Flickr - Photo Sharing!

 

Mornington Crescent「モーニントンクレセント」という、なんと言っていいのかわからない、そしてそれなのにやたらイギリスっぽいゲームがある。1978年に初めてラジオ番組に現れたというから私たちの世代であればまず知っているゲームだ。

 

競技者が順番にロンドンの地名をあげていき、「モーニントンクレセント」と言ったら、おしまい、と言うゲーム。

なのだが、実はこれ、ルールがないのである。

ランダムに地名を言っているだけなのに、間に解説者がそれらしーい、もっともらしい、解説を付ける。

 

 

「レスタースクエア」

「グロスターグリーン」

「非常に着実な返しですね。もはや古典的と言ってよい手です。」

ナイツブリッジ

「!なんと!これは予想外です。・・・ルール的には許されているのですか?」

「いやあ、きわどいラインですね。審判達の判断が待たれます。これが許されると今後のゲーム展開が大きく変わることになりそうです!」

 

 

と言った感じで、続いていくのだが、もちろん、このゲームの醍醐味はいかにそれっぽく、それらしい解説を付けるかであって、地名には何の意味もない。だからこそ無限に応用が可能なゲームでもある。なにせテーマは映画の題名であろうが、食べ物であろうが動物であろうが良いのだ。

 

そしてこれが年齢の小さい子供相手だと非常に良い暇つぶしになる。

 

学校へ歩く道すがら、子が言う。

「さん!」

私が答える。

「4。」

子が嬉しそうに言う。

「よんじゅうなな!」

「!これはすごい。ゲーム序盤で47が出ました!」

これにきゃっきゃと笑い声が帰ってこないことは、まずない。

 

あまりにもナンセンスだ。あまりにもナンセンスなのに、それが既存の番組の解説のパロディであるから成立するし、何かおかしく、楽しい。

何がどう、とピンポイントで言うことは出来ないのだが、これはとてもイギリスらしいゲームだな、と子供相手にプレイをする度思うのだった。