海藻を食べる

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写真はこの夏行った北アイルランドで食べたパン。食べかけで失礼だが、よく見ると海藻( Dulse)が入っているのが見える。

 

海藻を食べるのは極東アジアの人たちだけ、と信じている日本人は多いけれど、島国だけあって、当然のことながらブリテン諸島には海藻食の歴史が綿々と続いてある。

 

有名なのはウェールズのLaver bread (laverは、アメリカ風に「れいゔぁー」、と発音するのではなく、是非とも「らゔぁー」と発音して欲しいところ)で、海苔を固めたもの。朝食に食べられるのだが、これがウェールズの炭鉱で働き日光に当たらないためビタミンDが不足しがちだった労働者の健康を守ったという話があったりなんぞもして、しっかり定着し、愛されている食品ではある。とはいえ、ご当地限定ではあるのだが。

 

ダルスは、海から収穫されそのまま干されて食べられる。海塩がほんのりしょっぱくて、これも食べられている地域に行かなくては簡単に手に入るものではない。味は、当然といえば当然なのだが、どことなく塩昆布に似ている。

北アイルランドの海辺の町で、アイスクリーム屋に並んでいるのを見た時にはびっくりしたのだが、まさにおやつの位置付けで、そのままポケットに紙袋ごとつっこんでちょっとずつ食べる。

そのまま出汁を引いたら美味しいだろうな、と思うような味だった。

 

本当に地方の特産品の位置付けだった海藻だけれど、今では全国的に売ろうとする業者も出始めていて*1、もしかすると、あと10年もすると私の住むヨークシャーの田舎でもイングランド海岸の海藻を買うのは簡単になってくるのかもしれない。

 

もしかすると、もしかすると、ではあるけれど。