ポラリ語のリバイバル

イギリスにはゲイの使う言語がある、という語られ方をすることが多い、ポラリ語(Polari)。

この国に住んでいる人間として(そして、以前はこの国の文化を語ることを生業としていた人間として)本当に最低限のことしか知らないけれど、ポラリ語は興味深い言語だ。

 

成立は、はっきりしていないけれど19世紀には既に存在しており、そのルーツはおそらく、もっと古い。

 

ロンドンの演劇界隈、同性愛者、そしてかなり怪しい界隈の人々にも使われた、とされる言語で、隠語、と簡単に括るには複雑な文法構造や語彙を持つらしく、様々なレベルで研究者を引きつけている言語でもある。文化的なレベルでも、言語学的なレベルでも。

 

ロマ二語を始めとする諸言語とコックニーが融合しており、ライミングスラングやバックスラングも取り入れられているという。

 

同性愛が違法だったかつてのイギリスには、同性を愛する人たちが安心して語るための特別な言語があったのだ。

そして、それが役者やサーカス団員の言葉ともかぶっていたということもまた、歴史的な条件を感じさせて面白い。

 

同性愛がもはや違法ではなくなって、一時期すたれたとされているけれど、ゲイライツが認められ始めている現在のイギリスではポラリの復活運動も起きている。

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