Wreck This Journalー紙でなくてはならない、本

 

Wreck This Journal

Wreck This Journal

 

 

 周期的に子供が夢中になってどこへ行くにも持って歩く本がある。Wreck This Journal である。我が家にあるのはペンギンから出版されたもの。

 

題名の通り、本の中にはどのようにしてこの本を「破壊する」のかのヒントが入っている。

「このページに食べ物の汁をこぼそう」「このページに変な絵を描こう」といった指示が並ぶ。そして、子供は本当にこれに夢中になる。不思議な本だ。

 

数ヶ月に一度くらい、ふと手にとっては落書きをしたり、ページをビリっと破いてみたり、数日夢中になって、また、しばらくすると本棚に収まっている。

 

そんなことをやるんだったらノートだって落書き帳だっていいじゃないか、と思うのだけれど、ノートや落書き帳ではダメなのだ。

 

 

「本は大切に読みなさい」、「本を踏むなんてもってのほか」と言われて育った子供にとってこれは禁断の書。

まさに「紙の」「本」であるからこそ、汚したり落書きしたりすることにゾクゾクするような楽しさがある。プレゼントして数ヶ月後には世界に一つしかないその子だけの本になっている。「紙の本」にしかない魅力が、逆説的な形で詰まっている本。