1923: A Memoir: Lies and Testaments

1931年のブラッドフォードパジェントについて小文を書いたときに調査の段階で出会った回想録。1923年は著者の生まれた年だ。

紡績、織物と輸出に頼っていたブラッドフォードは30年代の不況にひどく打撃を受け、1928年から32年の間に400近い企業が倒産した、とは拙文にも書いたけれど、そのど真ん中で開かれたパジェントに関して著者が非常に怒った投書をしていらしたのを見たのが、読み始めたきっかけだった。

 

確かに1931年のパジェントの記憶は1923: A Memoir: Lies and Testamentsには全く出てこない。ここに出てくるのはゴミ箱をあさって残飯を食べて命をつなぐ子供達であり、もはや働くことの出来ない夫を見捨てて、次から次へと男を渡り歩くことで少なくとも子供達に食事を与えようとする母親であり、兵隊としての生活の方があの恐慌の時代よりましだと考える青年である。

 

 著者はご存命。最近[asin:1848317263:title]を出版された。こちらは未読。

 

1923: A Memoir: Lies and Testaments

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