運動会

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20070717_0012 | Flickr - Photo Sharing!

 

6月の終わり頃上の子の学校で運動会が開かれた。

日本の小学校の運動会に初めて行った時、夫は矢継ぎ早に色々と質問を投げかけてくれたものだったけれど、なるほどこちらに来たときにはSports Dayと運動会は全く似て非なるものだわ、と納得した。

 

当時の質問は

なぜ運動会に一日費やすのか。

なぜ運動会は紅白に分かれるのか。なぜ緑組や青組がないのか。

なぜ1年生から6年生まで一緒にやるのか。

なぜ見ている親達が話せないくらいの大音響で音楽をかけるのか。

などなどで、もう、これは「うーん、この国では今のところそういう風にやっているから、そうなんじゃない?」としか答えようがないのだが、こちらで運動会を経験した時「あー、なるほどね」と、初めて目から鱗がボロボロ落ちた。

 

まず運動会は低学年と高学年に分かれて行われる。イギリスの小学校は4歳から始まるので、確かに小さい子も一緒ではとても難しいだろう。それだけでなくこうした行事に「全員が参加すべし」とする意識もあまりないのだと思う。成熟の程度が違うのだから、わかるレベルで一緒にいれば良いだろう、という感じだろうか。

でも、学年が分かれているということは同時に、小さい場所でも運動会が出来るということだし、それは同時に親が子供の活躍を近くから見ることが出来る、ということでもあって、子供が一生懸命飛び跳ねたり駆けたりしているのをそばで見るのは楽しい。

芝生の広場でいくつかのエリアに分かれて、音楽はなし。徒競走のピストルさえなく、笛でスタートが切られる。日本の運動会に比べればずーっと静かだ。入場行進もない。でも、子供達の歓声と親達の応援があるから特に寂しいわけでもない。

運動会が行われるのは午後昼食後の数時間。

イギリスの6月は最も天候の良い時期だけれど、さらっと湿度の低い昼下がり、子供達が走ったりボールを投げたり、卵レースをしたりするのを笑ったり手を叩いたりしながら眺める。イギリスのSports Dayはそう言う行事なのだった。

 

子供達は紅白に分かれる代わりに、いくつかのHouseに分かれる。これはクラスとは別物で、一度決まったら何年も所属することになる。上の子の学校の場合は火、水、地、風でそれぞれ赤、青、緑、黄色だ。兄弟姉妹は同じHouseに所属するよう学校がわが調整しているという。勝っても負けても家族は一緒なのだ。

 

 

最初は随分違うものだな、とびっくりしたイギリスの運動会だけれど、引っ越したばかりの頃は1歳児を抱えていたので、午後数時間で終わり、大きな音のない運動会は正直ありがたかった。親にとって嬉しいのは子供の成長を目の当たりに見ることでそれはどちらも同じではあるけれど、やはりSports Dayと運動会は似て非なる行事なのではあった。