UK

明くる朝 (The Morning After)

スコットランド独立が否決された。 というわけで写真は我が家の本日の夕食。 缶詰なのが惜しいと言えば惜しいけれど、スコットランド料理のハギス、そしてお茶請けにスコットランド名物のタノックのティーケーキである。後者は「独立が達成されたらイングラ…

Andrew Marr "Great Scots:The Writers Who Shaped a Nation"

ずっと見たかったのだが、時間を取れずにいた Andrew Marr's Great Scots をようやく見ることが出来た。 独立の賛否を決める投票の前、この夏に3回にわたって放送されたドキュメンタリー番組でスコットランド文学の著名な人物3人を取り上げている。最初か…

スコットランド独立とヨークシャーと。

スコットランド独立の是非を問う選挙が間近に迫っている。 これに関してはシノドスの久保山尚氏の記事が本当に的確だし、ブレイディみかこ氏の文章もその通り、なのであまり私が付け加えることもないのだけれど、とにかく、この件に関しては日本の報道にはや…

Polly had a dolly

Dandelion I by Nickki Tysoe タンポポの花の季節ももうとうにすぎたけれど、先日子供達がデイジーを摘んで似たようなことをやっていたので思い出した子供の遊び。 タンポポの花を摘み、片手で持ち、親指を花の下に添えて、'Polly had a dolly and its head …

パブリックスクール(寄宿学校)と虐待と。

今年に入ってからガーディアンが、何本かイギリスの歴史的な制度とも言える、名門寄宿学校を批判する記事を連続して出している。 寄宿学校はなぜリーダー養成に向いていないのか、であるとか、寄宿学校がいかにして子供の人間性を根本的に傷つけるか、といっ…

最初に英語で本を書いた女性ーノリッチのジュリアン

"Statue of Dame Julian" by Poliphilo - Own work. Licensed under CC0 via Wikimedia Commons. ノリッチのジュリアン(Julian of Norwich) という女性がいる。チョーサーの同時代人で、おそらく英語で本を書いたイギリスで最初の女性である。 "All shall …

イギリスのシンドラー/ニコラス・ウィントンとキンダートランスポート

ニコラス・ウィントンという人がいる。まだご存命の人で、29歳の時、チェコから600人を超えるユダヤ人の子供達をイギリスへ送る手はずを整えた人だ。 両親ともにキリスト教に改宗はしているものの、ユダヤ系で、株式関係のしごとで裕福だった彼は、イギリ…

ブラッドフォードパジェント 2

さて、1931年のブラッドフォードパジェントは奇妙なパジェントだ。 というのも、大恐慌の真っ最中で、当時ブラッドフォードの富裕層の多くを占めていた織物業は軒並み苦戦していたし、倒産する業者も後を絶たなかったからで、1928年から1932年の間に、ブラッ…

ストライキ

Photo by Roger Blackwell 先週の木曜日はイギリス公機関のストライキだった。 緊縮財政の名の下に次から次へと公務員の給料がカットされているので、来るものが来たな、という感じではある。 折り悪く、我が家のある通りは木曜日が生ゴミの収集日で、当然の…

Bradford Pageant 1931 「ブラッドフォードパジェント」の1

ずいぶん前に公表したことになるのだけれどブラッドフォードパジェントについて。 というか、まずはパジェントという演劇形態について少し解説を。 日本語ではページェント、のほうがなじみが深いかと思う。これは日本にこの形態の演劇を定着させようとした…

Buttercup きんぽうげ

Photo: Jenny Downing "Sun Trap" 子供と一緒にイギリスに住んでいて増えるのが、子供らしい言い伝えや、まじない、童謡の類いの知識で、今日は散歩中、突然子供にキンポウゲを顎の下に当てられた。 「あ、ママの顎は黄色くならない。」 キンポウゲを顎の下…

ツールドフランス

2014年のツールドフランスはヨークシャーが出発点である。ので、この地域は浮き足立っている。 そもそもイギリス北部は経済的に圧倒的に南部に比べて弱い。地価も物価もおかげさまで安いが、給料も基本的には南部とは比べ物にならないほど安い。その上緊縮財…

life in the UK3

というわけで、実はもうずいぶん前になるのだが、6月13日、金曜日にLife in the UKテストを受けて来た。よりによって13日の金曜日で験が悪いと言えばそうなのだが、幸い天気はよく、リーズまで電車でえっちらおっちら出かけて行った。 出かけて行って気…

Life in the UK 2 移民と文学

写真はLife in the UK Official Study Guide, 2013 Edition (Life in the United Kingdom) より。 Life in the UK テストには文学と歴史のセクションがある。かつてはバーナード・クリックが書いた移民を歓迎する序文があったということだが、そんなものは第…

Literature of the English Country House

MOOC、Literature of the English Country House(シェフィールド大学提供)について。

Life in the UK Test その1

イギリス永住権取得の為に必要なLife in the Ukテスト。まず第一回目としては「とりあえず、ハンドブックはそこそこわかりやすいイギリス社会の紹介になっているし、テストそのものにもポジティブな可能性はある」ということ。

1923: A Memoir: Lies and Testaments

1931年のブラッドフォードパジェントについて小文を書いたときに調査の段階で出会った回想録。1923年は著者の生まれた年だ。 紡績、織物と輸出に頼っていたブラッドフォードは30年代の不況にひどく打撃を受け、1928年から32年の間に400近い企業が倒産した…